FIT(外国個人旅行者)の増加は、地方創生の大チャンス

FIT(外国個人旅行者)の増加は、地方創生の大チャンス

激変する旅行形態の変化


インバウンドの主流が団体旅行であった頃は、多言語化したパンフレットやチラシ等を作成し、海外の旅行エージェントへ観光地案内や企画旅行を提案する等の誘客活動が行われてきました。しかし近年、インバウンドは個人旅行へ大きくシフトしてきています。つまりそれは、自地域の存在を知ってもらう相手が、旅行エージェント(特定の旅行会社)から外国人旅行者個人(不特定多数の個人)へ変わることを意味し、その旅行形態の変化は観光業のあり方を激変させるとても大きな変化です。
しかし、この変化は歓迎されるべき変化であり、上手く対応する事で、今まで外国人旅行者に見向きもされなかった地方にとっては、外国人観光客を増やす大きなきっかけとなります。その地域にどんなに魅力的な観光地や施設があったとしても、知ってもらわなければ足を運んでくれることは絶対にありません。今までは日本を紹介する雑誌に載る一部の地域や施設、旅行社が観光ルートに組み易い有名観光地にしか、その存在を知ってもらう権利が無かったかと思うほど、限られた情報源しかありませんでした。しかし、その「知ることの壁」がインターネットにより取り除かれ、各地方と外国人旅行者が繋がれるようになったのです。

外国人旅行者の個人旅行へのニーズの高まりと、インターネットという情報を得ることが出来るツールがそろったことで加速的に個人旅行は増加しています。地方の観光地にとっては外国個人旅行者(以下 FIT)を増やす、まさにビッグチャンスです。

旅行手配方法(国籍・地域別、観光・レジャー目的)

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析」 平成 29 年 4-6 月期 報告書 http://www.mlit.go.jp/common/001194022.pdf


FITは、どうやって情報を得ているのか。


では、どんな風に世界中の皆さんに自地域の情報を伝えたら良いのでしょうか。
「海外への情報発信はインターネット」そんな漠然としたイメージはあっても、具体的な方法を見つけ情報発信に取組まれている地域は実は少ないのではないでしょうか。インターネットは時間も場所も選ばす、情報の伝達速度も速いです。また、さまざまなメディアとも拡張性も高い為、海外への情報発信はインターネットを使用するのが良いのは周知の事実です。逆に、情報を受け取る外国人の方も「Visa Global Travel Intentions Study 2015(2015年Visa世界旅行意識調査) 」では、旅行全般の情報収集について訪日観光客の91%が旅行の計画にオンラインでの情報源を活用していると回答しており、情報源をインターネット上に求めていることも分かります。

同時に「旅行計画段階におけるツール別オンライン情報の活用」では、訪日観光客は日本人海外旅行客と比べ、モバイルやタブレットの使用率も非常に高くなっています。またwebサイトだけではなく、アプリを使って情報を得ている方が多いことも注目すべきポイントです。海外旅行を検討する時、以前は旅行エージェントの店頭に足を運んで計画を立てていたのが、自宅でPCを使いインターネットで情報を集めるようになり、現在は持ち歩きが可能なスマホやタブレットを使い、旅行へ行きたいと思った瞬間に情報にアクセスしている。そして、より簡単に、より分かり易く旅行計画に必要な情報を収集出来るアプリケーションも使い、それぞれが自分らしい旅を簡単に形作ることが出来る時代に変わってきている事が見てとれます。
世界中の旅行者は、それぞれの興味のある事をインターネットで検索し、思い思いの旅を楽しむ時代へ急速に移り変わってきているのです。
しかも先のデータなどから、海外では私たち日本人が考えるよりも早い速度でこの変化が進んでいると考えられます。


Q:あなたはどのツールを使用してオンライン上で情報を収集しますか? 【図1:旅行計画段階におけるツール別オンライン情報の活用】

出典:Visa Global Travel Intentions Study 2015(2015年Visa世界旅行意識調査) http://www.visa.co.jp/aboutvisa/mediacenter/NR_JP_2-011215.html


FITとの繋がりで、地方観光のあり方が変わる。


情報の入手先が旅行エージェントだった時は、その担当者の嗜好や考えが旅行先決定に大きな影響を与えていました。担当者は観光情報のすべてを扱う事は当然出来ない為、必然的にもともと知っている有名観光地や営業力(資本力)のある地域など、偏った地域への送客が多くなります。そして、一度案内をしたことのある観光地であれば勝手が分かり、手間やコストも削減出来る為、また別の団体もその観光地へ送客する。その繰り返しで、一部の地域にのみ外国人観光客が溢れ返るようになりました。
しかし、これからは「個人旅行」の時代です。各地域がインターネットを使って自地域の魅力を直接外国人個人へ伝える事ができ、同時に外国人も日本独自の文化や体験ができ、より日本らしさに溢れる地方部の情報を待っているのが現状です。政府も観光を通じた地方創生の取り組みを推し進め、さまざまな施策が行われている今こそ、各地域、各店舗、各観光は各々しっかりとした情報発信戦略を立てFITに地方部に足を運んでいただく取り組みを行わなければなりません。

そして、FITの増加には地方の観光地にとって、とても大きなメリットもあります。
FITの大きな特徴の一つは、リピートやフォロワーが増え易いことです。与えられた観光ルートではなく、自身で探して自力で訪れることができた場所には愛着が湧きます。その為、FITはSNSやブログなどで旅行体験を発信する率も高くなっています。自身の興味のある場所に訪れる訳ですから、より多くの人達に体験を伝えたいと思うのは当然です。地方の魅力を伝えるプレゼンターとしての役割も期待できるFITの増加は、地方観光にとって大きな追い風となります。その為、一定数のFITの訪問があった後に、自然と外国人観光客が増えたという事例もあります。しっかりとインターネット戦略や誘客計画を立て、少しでも多くのFITを呼び込めるよう努めることで、リピーターやフォロワーがじわじわと増加していく良いサイクルを生み出すことにも繋がります。

外国人旅行者の団体旅行から個人旅行へのシフトは、地方観光にとっては来訪者数を増やす大きなチャンスです。
一朝一夕で地方に多くのFITが訪れる訳ではありませんが、このチャンスを逃さず、今からでも決して遅くはありませんので、観光振興に向けて自らの情報発信しっかりと発信することスタートさせることをおすすめします。



一般社団法人 日本地域観光振興協会
The Japan Association for the Promotion of Local Tourism

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